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大腸カメラ検査

大腸カメラ検査について

大腸カメラ検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内側を直接観察できる検査です。スコープの先端には高性能なカメラと光源が搭載されており、映像をリアルタイムで確認しながら、直腸・S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸、さらには盲腸付近まで進ませて、粘膜の状態を詳細に確認します。
この検査では、通常の白色光に加えて、血管や粘膜の微細な変化を強調する特殊光も使用可能です。異常が疑われる部位に特殊光を照射することで、炎症や早期の病変も見逃すことなく捉えることができます。
また、検査中に発見された大腸ポリープ(がんになる前の病変)は、その場で切除が可能であり、将来的ながんの予防にも繋がります。必要に応じて、病変部の組織を採取し、病理検査を行うことで、正確な診断へと繋げることも可能です。出血があった場合には、同時に止血処置も行えます。
このように、大腸カメラ検査は、疾患の「発見」「診断」「治療」だけでなく、「予防」にも役立つ多機能な検査です。
大腸は平均して約1.5mの長さがあり、複雑に曲がりくねった構造をしています。そのため、内視鏡をスムーズに進めるには、医師の技術に大きく左右される場面も少なくありません。
特に難易度の高い症例では、経験や手技によって患者様の負担が大きく変わってきます。
当院では、消化器内視鏡検査の専門医が全ての検査を担当しております。鎮静剤を使用することで、ほとんど眠っているようなリラックスした状態で検査を受けて頂けますので、苦痛を最小限に抑えながら、正確かつ精密な検査を実施することが可能です。
初めての方もどうぞお気軽にご相談ください。

当院の大腸カメラ検査の特徴

① 専門医・指導医による高精度な大腸カメラ検査

大腸は長さが約1.5mあり、お腹の中で「の」の字を描くように複雑に曲がりながら走行しています。その内部は、粘膜のヒダやシワが多い構造となっており、小さな病変が隠れやすい部位でもあります。そのため、検査には高度な観察力と技術が求められます。
当院では、日本消化器内視鏡学会が認定する専門医・指導医をはじめ、豊富な経験を持つ内視鏡専門医が全ての大腸カメラ検査を担当しています。
微小な病変を見逃さないよう、スコープを操作しながら粘膜のヒダを丁寧にめくって観察を行い、必要に応じてその場でポリープを切除することも可能です。患者様の負担を軽減しつつ、正確で迅速な検査を実現しています。

② 鎮静剤を使用したオーダーメイド検査

「痛そう」「苦しそう」「恥ずかしい」といったイメージをお持ちの方にも、安心して検査を受けて頂けるよう、当院では様々な工夫を取り入れています。
大腸は曲がりくねった形状で、内部の粘膜には多くのヒダがありますが、それらをできる限り刺激しないように「軸保持短縮法」というスコープ挿入技術を採用しています。
この方法により、腸の形状に無理なく沿いながら、痛みを抑えた挿入が可能となります。
また、検査時には鎮静剤を使用することで、ほとんど眠っているようなリラックスした状態のまま検査を終えることができます。
麻酔の量は、患者様1人ひとりの体調や状態に合わせて慎重に調整しており、安全性にも配慮しています。
さらに、ご希望の方には検査中の内視鏡画像をご覧頂くことも可能です。また、女性医師による検査をご希望の方は、女性医師を指名して頂けますので、お気軽にお申し出ください。

③ 最新上位モデルの内視鏡システムを導入

当院では、内視鏡技術の分野で世界的評価を受けているオリンパス社の最新鋭システム「EVIS X1」を採用しています。このシステムには、同社独自の光学技術と、通常光と特殊光の切り替えによる照明技術、さらにAIによるリアルタイム画像解析機能が搭載されています。
内視鏡から得られた映像は、ハイビジョンモニターに高精細で映し出され、微細な粘膜の変化や血管の異常なども見逃すことなく確認できます。これらの先進技術を内視鏡に熟練した専門医が駆使することで、わずかな病変も的確に捉えることが可能です。

AIによる大腸ポリープ検出支援「EndoBRAIN-EYE」を導入

当院の大腸内視鏡検査では、オリンパス社製のAIによる病変検出支援システム「EndoBRAIN-EYE」を導入しております。このシステムは、内視鏡検査中に、ポリープをリアルタイムで自動検出する機能を備えています。
見落としやすい小さな病変にもAIが瞬時に反応し、モニター上に表示されることで、医師の視認を補助しながら検査精度を大幅に向上させます。
動画データから抽出した内視鏡画像を学習することで、大腸病変の検出において感度96.0%、特異度98.0%の診断支援制度があると報告されています。医師と最先端のAI技術によるダブルチェック機能により病変の見逃しを防ぎます。

④ 胃カメラ・大腸カメラの同日検査を実施

当院では、胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けて頂ける「同日内視鏡検査」を実施しています。大腸検査のために服用する腸管洗浄剤で胃腸全体がきれいな状態になるため、準備は一度で済みます。
大腸カメラに数分程度追加するだけで、胃の検査も同時に実施可能です。特に、がんのリスクが高まる40歳以降の方には、定期的な内視鏡検査をお勧めします。

⑤ 大腸ポリープは検査中にその場で切除

大腸ポリープは、腺腫と呼ばれる良性腫瘍であることが多いものの、放置するとがん化するリスクがあるため、「前がん病変」とも言われています。当院では、検査中にポリープを発見した際には、その場で日帰りの切除手術を行っています。
ポリープの形や大きさに応じて最適な切除方法を選択し、出血が見られた場合は止血用のクリップで処置を行います。止血クリップは時間の経過とともに自然に体外へ排出されるため、追加の処置は不要です。
ただし、ポリープが大きい場合や多数ある場合は、出血や合併症のリスクを考慮し、入院による治療が必要となることもあります。その際は、当院と連携する医療機関をご紹介し、スムーズに専門的な治療が受けられるようサポートいたします。

⑥ 平日忙しい方のために土曜日の胃カメラ・大腸カメラ検査も対応

平日にまとまった時間が取りにくい方でも安心して受診頂けるよう、当院では土曜日にも大腸カメラ検査を実施しております。仕事や家事、育児などで平日が難しい方も、週末の検査でご自身の健康管理にお役立てください。

⑦ 遠方からご来院にも対応できるよう、「1日完結型の内視鏡検査」を実施

遠方にお住まいの方や、多忙なスケジュールで何度も通院するのが難しい方のために、当院では「1day内視鏡検査」を実施しています。大腸カメラの前後に必要な診察や説明は、全てオンラインで対応可能です。検査当日だけの来院で完結しますので、通院回数を最小限に抑えたい方にも安心してご利用頂けます。

⑧ 下剤の服用を「院内」か「ご自宅」か選べます

大腸カメラ検査では、腸内をきれいにするために腸管洗浄薬(下剤)の服用が必要です。食物残渣が残っていると、粘膜の観察が妨げられ、病変の見落としに繋がる可能性があります。
通常は約2Lの下剤を2時間かけて服用し、その後排便を待つ必要があり、トータルで4時間程度を要します。服用に不安を感じる方のために、当院では院内での下剤服用に対応しております。
体調の変化やご不安な点があれば、すぐにスタッフが対応いたします。
一方で、ご自宅でリラックスした環境で準備をされたい方には、自宅での下剤服用にも対応しております。院内滞在時間を短縮したい方にもお勧めです。いずれの方法をご希望の場合も、お気軽にお申し出ください。

⑨ 炭酸ガス(CO2)送気でお腹の張りを軽減

大腸カメラ検査では、内視鏡の視野を確保するために腸内に気体を送って膨らませる必要があります。従来は空気が使用されていましたが、空気は体内に吸収されにくく、検査後にお腹の張りや不快感を覚える原因となっていました。
当院では、体内への吸収が非常に速い炭酸ガス(CO2)を使用しています。炭酸ガスは空気の約100倍の速さで吸収され、血流に乗って肺まで運ばれ、呼気として自然に体外へ排出されます。そのため、検査後のお腹の張りも大幅に軽減され、より快適に検査をお受け頂けます。

⑩ 検査後はプライバシーに配慮したリカバリースペースでお休み頂けます

当院では、内視鏡検査を受けられる全ての方に、快適かつ安心できる環境を提供することを重視しています。検査には可動式のストレッチャーベッドを使用しており、鎮静剤を使用された場合でも、患者様がご自身で移動する必要はありません。
検査終了後は、スタッフがそのままベッドごとリカバリースペースへご案内し、お薬の効果がしっかりと抜けるまで静かにお休み頂けます。リカバリースペースは、プライバシーを考慮した構造となっており、落ち着いた空間で安心してお過ごし頂けます。

⑪ 朝の時間を有効活用できる「モーニング胃カメラ検査」「モーニング大腸カメラ検査」に対応

通常、大腸カメラ検査は下剤による事前準備を経て、昼〜夕方に実施されることが多く、丸1日を検査に充てなければならない場合もあります。そこで当院では、朝9時から検査をスタートできる「モーニング大腸カメラ検査」に対応しています。
この方法なら、午前中には検査が終わり、午後からは通常の予定をこなすことも可能です。仕事や家事、育児などでお忙しい方にもご好評頂いています。

⑫ 徹底した洗浄と消毒で感染予防を実施

当院では、日本消化器内視鏡学会が定める厳格なガイドラインに則り、内視鏡機器の洗浄・消毒を患者様ごとに確実に行っております。特に処置用スネアについては、ディスポーザブル(使い捨て)タイプを使用し、院内感染リスクの低減に努めています。
また、医療機器だけでなく、スタッフ1人ひとりが日常的な感染対策を徹底して実施しており、常に清潔で安全な医療環境を保っています。安心して検査を受けて頂ける体制を整えております。

⑬ 女性医師によるきめ細かな内視鏡検査

内視鏡検査に対して、男性医師による診察に不安を感じる女性も少なくありません。当院では、そうした心理的な負担を軽減し、よりリラックスして検査を受けて頂けるよう、女性医師による内視鏡検査に対応しております。
「恥ずかしい」「男性医師だと緊張してしまう」といった理由で検査を躊躇っていた方も、どうぞご安心ください。女性医師による診療をご希望の際は、お気軽にお申し出ください。

大腸カメラ検査で発見できる疾患

腹痛や下痢などの大腸に関する症状は、軽度の炎症から深刻な疾患まで、様々な原因で引き起こされます。例えば、急性大腸炎のように比較的軽い症状に留まる場合もあれば、潰瘍性大腸炎やクローン病といった難病、さらには進行した大腸がんが見つかるケースもあります。
こうした多様な疾患が大腸のどの部位に、どのような程度で発生しているかを正確に把握するためには、大腸カメラ検査が非常に有効です。症状が続いている場合や、原因がはっきりしない腹部の違和感がある場合には、ぜひ消化器専門の当院にご相談ください。
大腸がんは、国内におけるがんの罹患者数・死亡者数のいずれも上位に位置しています。しかし、初期の段階ではほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。
早期に発見された場合は、内視鏡によるポリープ切除など、身体への負担が少ない治療で完治が見込めます。しかし進行がんとなると手術や化学療法が必要になることも多く、術後の生活にも大きな影響が及びます。
だからこそ、症状の有無にかかわらず、定期的な大腸カメラ検査が重要です。
また、大腸ポリープも通常、自覚症状がないまま進行するため、気づかずに放置されることがありますが、その一部はがん化するリスクがある「前がん病変」です。
大腸カメラ検査では、これらのポリープを早期に発見し、がん化する前に切除することで将来的ながん予防に繋がります。
ポリープは40歳未満でも見つかることがあり、40代以降になると大腸がんの発症率も上昇します。症状がない場合でも、予防の観点から40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることをお勧めいたします。

大腸カメラ検査で発見される主な疾患

大腸カメラ検査を受ける適切なタイミング

大腸がんは年々増加傾向にあり、いまや誰にとっても身近な病気の1つです。しかし、早期の段階で発見できれば、内視鏡によるポリープ切除など、身体への負担が少ない治療で完治を目指すことが可能です。
問題は、その「早期」が自覚症状に乏しいことにあります。多くの方は、症状が出てから受診を検討されますが、その時点では既に進行しているケースも少なくありません。
大腸がんの大半は、元々良性の「大腸ポリープ」から始まるとされています。ポリープを長期間放置すると、細胞が徐々にがん化し、大腸がんへと進行してしまうのです。厄介なのは、この大腸ポリープもまた、ほとんど自覚症状がないという点です。

以下の項目に該当する方は早めの検査をご検討ください

  • 40歳を過ぎて一度も大腸カメラ検査を受けたことがない
  • お腹の張りや違和感、便通異常など、慢性的な消化器症状がある
  • 過去に大腸ポリープを指摘されたことがある
  • ご自身が何らかのがんを患った経験がある
  • ご家族に大腸がんまたは大腸ポリープの病歴がある

これらに1つでも当てはまる方は、無症状であっても大腸カメラ検査を早めに受けることをお勧めします。

大腸カメラ検査の流れ

1検査前日

食事について

前日の朝食以降は、消化に時間がかかる食材(食物繊維の多い野菜、種のある果物など)を避け、柔らかくて消化の良い食事を心がけてください。夕食は21時頃までに済ませ、量は普段の半分程度に抑えましょう。
おかゆや煮込みうどんなどが適しています。夕食後は絶食となりますが、水・お茶・スポーツドリンクなど透明な飲み物は摂取可能です。

2検査前の準備

前日の21時にお渡しした錠剤タイプの下剤を服用してください。
当日の朝は食事を摂らず、検査開始の4時間以上前から腸管洗浄剤(液体下剤)の服用を開始します。通常、約2Lの下剤を2時間かけて飲みきります。服用後、さらに2時間ほどでお腹が落ち着くことが多いです。
※当院では、2Lの下剤を使用しないコースもご用意しております。ご希望の方はお気軽にご相談ください。

3検査

鎮静剤を使用する場合は、まず点滴ルートを確保し、薬剤を静脈から投与します。検査は可動式ストレッチャーベッドの上で行い、肛門に医療用ジェルを塗布した上でスコープを挿入します。
大腸カメラは盲腸まで一度進めた後、ゆっくりと引き戻しながら、小腸接合部・上行結腸・横行結腸・下行結腸・直腸と、大腸全体の粘膜を丁寧に観察していきます。検査自体は10~20分程度ですが、ポリープの切除などの処置を行う場合は、多少時間が延びることがあります。
なお、検査は静脈麻酔によりリラックスした状態で受けて頂けます。また、観察しやすい体位に調整することがありますので、医師の指示にご協力ください。

4検査後

休憩と検査結果のご説明

検査後は、リカバリースペースにて一定時間お休み頂きます。当日は、検査画像付きの報告書をお渡しして結果をご説明いたします。
ただし、組織採取やポリープ切除を行った場合は、顕微鏡による病理検査が必要です。その結果が出るまでには1~2週間ほどかかります。最終結果の説明は、オンライン対応も可能です。

大腸カメラ検査の費用について

内容 健康保険1割負担 健康保険3割負担
初診(感染症採血含む) 約1,400円 約4,000円
大腸カメラ検査のみ 約2,500円 約7,500円
大腸カメラ検査+病理検査 約3,000~5,000円 約10,000~22,000円※1
大腸カメラ検査+ポリープ切除 約7,000~12,000円 約20,000~36,000円※2

費用は、使用する薬剤・点滴の有無などにより前後する場合があります。
※1病理検査は、大腸または小腸から採取した組織を顕微鏡で調べ、がん細胞の有無や炎症の程度を診断します。
※2ポリープを切除した場合は、切除部位の組織も病理検査を行います。がん細胞の有無や切除の完全性を確認するため、精密な分析が必要です。